看護師は女性が多く勤務する職種です。そのためライフイベントなどで退職・転職をする方が多く、さらに壮絶ないじめで「もう看護師に戻りたくない。」と辞めてしまう方も。

今回インタビューするKさんも、転職を繰り返した経験があります。
実は看護師は転職をくりかえしてもメリットがあるんです。
今回は看護師として25年の経験があり、多数の転職経験を持つKさんの経験をもとに、転職してよかったと思えた理由をインタビューしました。

Kさんは看護師ライターとして現在活動されています。
興味のある方は最後まで目を通してください。
看護師が転職を成功させるキーポイントは”自己分析”と”事前調査”

経歴と【看護師転職】失敗談
多くの転職経験を持つKさんも最初は転職に失敗されたようです。なぜ失敗したのか、それからどのように転職を成功させたのかインタビューしました。
経歴

まずは自己紹介を。私は50代の元看護師です。

最初に経歴を教えてもらえますか?
私は准看護師から看護師になり、25年ほど看護師として勤務しました。最初は1200床の総合病院、それから転職を何度も繰り返しその数は履歴書に収まらないほど。クリニック、介護施設、健診機関、訪問入浴、フルタイム、パート、派遣などいい意味で経験豊富です。

なぜ転職を繰り返されたんですか。
語学が好きで、海外旅行や留学に行きたかったからです。就職→退職→海外→就職を繰り返した結果、転職回数が増えていきました。海外好き看護師あるあるかもしれませんね。

失敗したと思った経験は?

もちろんあります。一番失敗したなと感じた職場は3ヶ月で退職してしまいました。
【看護師転職】失敗談
看護師として10年目が過ぎたころ、病院勤務が長かったこともあり、一度他の職場を体験してみたいと思い訪問入浴へ転職しました。
訪問入浴は夜勤がなく、時給も高いことに惹かれあまり深く考えることなく入職しました。ですが、入ってみてすぐに、「これは自分には合わないな。」と感じたんです。
訪問入浴は3人チームで午前・午後と5~6件の自宅をまわり、麻痺などで自宅で入浴できない方に特殊な浴槽を用いて入浴を提供する仕事です。
利用者さんは入浴を楽しみに待っていてくれるので、仕事の内容自体はとてもやりがいがありました。
ただ、人間関係がとても悪い職場だったので、狭い車の中や事務所でずっと一日中顔を合わせ過ごす時間がとても苦痛でした。いつも必ず誰かが別のスタッフの悪口を言っている、そんな雰囲気でした。
そういう雰囲気はかならず利用者さんに気付かれます。楽しい入浴が苦痛になっているのではないかと申し訳ない思いをしました。
もう一つの理由が、訪問が合っていなかったということです。3人チームの中に看護師は一人です。当時、私は整形外科の経験しかなかったので知識的に不安もあり、緊急時の対応にも自信がありませんでした。
もっと知識を増やす必要があるのではないかと考えはじめ、結局、一緒に入職し仲良くなった介護職員の方が退職されたのを機に私も退職しました。
失敗した原因は、私自身の経験の浅さをわかっていなかったこと、時給の良さだけに着目し、職場の雰囲気や仕事内容などをよく理解していなかったことが考えられました。

次からはこの経験を活かそうと思われたんですね。
看護師の転職はスキルアップなどメリットも多い

前回の経験からどのように考えが変わりましたか。

自分なりに転職先に必要な条件などをリストアップし、さらに転職サイトにいくつか登録しました。
【看護師転職】成功例と転職して良かった理由
転職して良かったと思えた成功例とその理由をきいてみました。
【看護師転職】成功例
前回の失敗を反省し、以降の就職活動は次の2点に注意しました。
- 知識と経験を自己分析し、持っているスキルと今後学びたいことをリストアップ
- 転職サイトを利用
将来は介護施設でも勤務してみたいと思っていたので、そのためにはもっと知識と経験を増やす必要がありました。介護施設は医師が常駐していないので、看護師が直接判断する場面がたくさんあります。
そのため、たくさんの診療科を経験し自分で判断できる知識を増やそうと思ったんです。
転職サイトを利用したのは、転職サイトには病院内情に詳しい担当者がいるんです。人間関係が悪いところはこっそり教えてくれたりします。
そして選んだのが、地元でブラックだと有名な病院でした。

ブラックと分かってて?
その病院がブラックといわれる理由は残業の多さで、人間関係はいいと転職サイトの担当者から聞いていたので、いろいろな面を考慮した結果、そこに決めました。
結果、その病院での学びはその後とても役に立ち看護師としての自信につながりました。さらに、恵まれた人間関係のなか、とても楽しく勤務でき、長期間そこでお世話になりました。
転職して良かった理由
患者さんは多くの合併症や生活習慣病を持っている方が多いです。多くの診療科を経験し、多方面から患者さんを的確に観察、看護できたことが転職を重ねて良かった一番のポイントです。
また、病院を変われば人も変わり、使う物品や処置の仕方も少しずつ違ってきます。
多くの体験を重ねることでどの病院・施設に行ってもすぐになじめる性格とスキルを身につけました。これは派遣など短期での仕事にも即戦力として働くのにとても役に立ちました。
また、訪問入浴を経験していたことも、患者さんやご家族に、病院を退院した後のことを詳しくリアルに説明できるので喜ばれました。

転職をして多くの経験を重ねたことで、視野が広がり患者さんの変化に
素早く対応できるようにもなりました。

なるほど。多くの経験が看護師としての成長につながったということですね。

はい。自信もつき、やりがいを感じました。患者さんやご家族に「あなたにお願いしたら安心。」と言われ、頼られる存在になれたことが嬉しかったです。
看護師の転職は医療現場だけじゃない!看護師ライターへの転職
看護師が向いていないじゃないかと思う方におすすめなのが、働き方を変えてみることです。病院から介護施設、正職員から派遣など働き方を変えてみたり、思い切って違う職種に就くのもいいと思います。

看護師ライターは看護師の知識を活かせる仕事でおすすめです。
看護師ライターは看護師の目線から看護・医療・健康面になどの記事を書く仕事です。ブログ作成や病院紹介の記事、疾患に関するものもあります。
この仕事をはじめて気が付いたんですが、看護師の世界はいじめが多く、アメリカでは看護師いじめをテーマに研究もされているようです。いじめを苦痛に退職する、特に新人看護師さんが多いことに気が付きました。
その中には看護師を退職し、ライターとして活躍されている方もいます。
看護師が向いていないのではなく、病院という環境が合っていなかっただけかもしれません。辞めてしまうのはもったいないような気がします。
医療の現場に直接立たなくても、ライターのようにさまざまな活躍の場があるので、自分に合った職場や働き方をさがしてみるのもいいかもしれません。

看護師ライターでも転職での多く経験を記事に活かせます。メリットの一つですね。
まとめ
今回の記事をまとめました。
- 給料などの良い面ばかりを見て転職すると失敗しやすい
- 転職前に自己分析と事前調査はしっかりと行う
- 医療現場以外にも看護師として働ける道はある
今回はKさんの体験を通して、転職して良かったと思えた点に着目しました。ですが、転職回数を増やすことはもちろんデメリットもあります。例えば新しい就職先で一から経験を積まなければならない、退職金が減るなどです。

メリット・デメリットをよく考えて転職をすることも大事ですね。
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