





転職活動を始めた方が感じる第一のハードルが、「履歴書や職務経歴書」の書き方だと思います。
特に、「自己PRやアピールポイント」の中身に悩んでいる方も多いでしょう。
自分には、転職活動で役立つような「自己PRやアピールポイントが無い…」とお思いのあなた。
今回のコラムを読めば、その悩みが解決に近づくこと間違い無しです。
魅力的な自己PR・アピールポイントを含めた履歴書や職務経歴書の書き方は、あなたの経歴(人生)を棚卸しすれば簡単です。
自分の経歴(人生)を棚卸しよう
経歴棚卸しとは何か、どうすれば良いのか、と思う方が多いでしょう。まずは、皆さんが悩みながら記入した履歴書・職務経歴書を準備してください。
そして、昔のことを詳細に思い出す柔らかな頭脳、このたった2つで準備は終了です。
次に、履歴書・職務経歴書を一項目ずつ見直し、その一項目ごとに、その当時の出来事を思い出しましょう。
ここで大事なことは、思い出した内容は、チラシの裏でも、PCやスマホ上のメモでも良いので、必ず、何かしらに文字として形に残すということです。
せっかく思い出したことを忘れてしまってはもったいないですし、文章を見ることで、当時をさらに鮮明に思い出すことも多々あるからです。
経歴を深く思い出す(具体例あり)
上記の文章だけだとイメージしにくいかと思いますので、ある方の履歴書をお借りして説明します。
その方の履歴書の一部は以下になります。
① 県立○○高校入学&卒業
② 地方チェーン学習塾で塾長として勤務
③ 上場小売業で、マネージャー・バイヤーとして勤務
では、この①~③の時代を深く思い出してみましょう。
★ ①の経歴 「○○高校は男子校で、異性の目を気にする必要が無いため、■■オタクのような同級生が沢山いた。」
⇒ 特徴のある人間に囲まれて学生生活を送ったため、他の人には無い発想力を養うことが出来た。
★ ②の経歴 「塾長として小学生~高校生まで授業を行っていたため、物事に対する分かりやすい説明が出来る。また、大学生を中心とした20代講師や保護者面談(モンスターペアレント含む)などを体験したため、老若男女に対応出来るコミュニケーション能力を身に付けた。
★ ③の経歴 「その方のみが男性で、他には18~60歳の女性パートの部下しかいない職場」を一人でやりくりしていたため、女性同士のいざこざに対するフォロー&問題解決や、女性の能力を発揮させるマネジメント力を身に付けた。
というように、履歴書では一項目でしかないものについて、その経歴の中で発生した「出来事に対して自分が行ったこと・考え方・身に付けたこと」などを思い出して深く掘り下げていく、
これを 経歴棚卸し と言います。
ここまで行えば、ある程度魅力的な履歴書・職務経歴書を作成出来たと思います。しかし、経歴棚卸しは深く掘り下げれば掘り下げるほど、強い「自己PRやアピールポイント」につながります。
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『さらに深く掘り下げると』
★ ①の経歴 「マンガ・アニメやサッカー、PCオタクと凄く仲良くなって、毎日のように話していた」
⇒ ニッチなレトロ趣味に関しての知見を持っている。
★ ②③の経歴 「老若男女問わず一緒に仕事をしてきたため、どのような状況にも適応出来る柔軟性や、問題に対する対策・解決策を多く提案することが出来る」
ある方の場合だと、これらが、自己PRやアピールポイントの材料になります。
経歴棚卸しのメリット
上記を参考にすると、ある方の自己PRやアピールポイントには「(ニッチ・レトロ分野の)企画・マーケティングに対応出来る発想力」「老若男女とのコミュニケーション能力」「女性パートを対象としたマネジメント力」を記述することが出来ます。
上記のように、当然、経歴棚卸しは、履歴書・職務経歴書の記載に役立ちますが、面接にも役に立ちます。
どういうことかと言いますと、皆さんの中で、面接が得意という方は少ないと思いますが、その理由の一つは、面接官に話す内容に自信が無い・面接官に話すことが出来るエピソードが少ない。ということだと思います。
しかし、経歴棚卸しをすることによって、皆さんは、面接官からの質問に上手に返答出来る、多くの手札を手に入れた、ということになります。
多くの手札があれば、面接官からの質問にも恐れることなく余裕をもって対応出来ますし、そうすると面接に対する苦手意識も少なくなり、平常心で面接に臨むことが出来る、ということです。
自分の強み・アピールポイントとは
経歴棚卸しを行ったことで、皆さんは多くの「強み・アピールポイントの原石」を見つけることが出来ました。
しかし、その原石を誰にも負けない強み・アピールポイントにするためには、その原石を選別し磨かなくてはいけません。
他人が持ってない強み・アピールポイントが重要
ここで重要なことは、「自分の強み・アピールポイントを客観的に見る」ことです。他人に伝えたいと思っている、自分の強み・アピールポイントとは、自分の理想(自分はこうなりたい・こうであるべき、という姿)が含まれているものであることが多く、他人があなたを見て魅力的に感じる内容とは違うことも多いです。
友達や恋愛関係でも、相手が自分のどこを気に入ってくれているかを質問すると、自分の考えていたところとは違って答えられる、ということと同じことです。
一般的に、面接官が必要としている強みというのは、
その会社に現在在籍している従業員が持っていない強み、もしくは会社に不足している強みであることが多いです。
ですので、経歴棚卸しで見つけた原石を、出来るだけ客観的に見て、「この原石は他人が持っていることは少ないor多い」ということについて、冷静な判断をする必要があります。
短所は長所でもある
「自分には自己PR出来る点が無い」という相談を受けることが多いですが、それは物事の見方や考え方によって大きく変わります。
例えば、
- 「 短所:落ち着きが無い ⇔ 長所:行動的で好奇心旺盛 」
- 「 短所:意志が弱く優柔不断 ⇔ 長所:柔軟性が高く適応能力が高い 」
- 「 短所:マイナス・ネガティブ思考 ⇔ 長所:物事を慎重に多様な視点で考えられる 」
等になります。
これはほんの一例です。ほとんどの短所は長所の裏返しです。
何故なら、短所・長所ともに、「他の人には無い、自分の性質」のことを言います。マンガのヒーローでは無いのですから、誰が見ても、どんな状況においても優れている点というのはほとんどありません。
ですから「私には欠点ばっかりだ…」と落ち込んでしまう方が多いのですが、上記したように、短所も長所も本質的には一緒のものです。
視点を変えるだけで、短所は長所になります。短所が多いと悩んでいた方は、長所も多いのです。
つまり皆さんが、今まで欠点と思い悩んでいた性質や能力が、皆さんが置かれた状況(職場)が変化することで、大きな長所になることも大いにあります。
転職は、皆さんの置かれている状況を変化させることで、皆さんの新しい可能性を開花させるきっかけに成り得ます。
転職には、そんな可能性もあります。
終わりに
今回のコラムでは、魅力的な履歴書や職務経歴書を書くために必要な、経歴棚卸しの行い方を記述しました。
経歴棚卸しは、転職活動中、様々な場面で役に立ちます。
是非、皆さんご活用ください。
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