前職は株式会社リクルートでキャリアアドバイザーとして、転職のサポートをおこなってきました。
・「公務員から民間企業への転職で失敗して後悔したくない。」
・「公務員から民間企業への転職は30代でも可能なの?」
・「公務員から民間企業への転職で厳しい点があれば教えてほしい」
と不安を抱えている転職活動中の皆様のお悩みを解決できる記事になっています。
なぜなら、これから紹介した方法を実践したことで、私が実際に公務員から民間企業への転職を成功させたからです。
私の他にも公務員での経験を活かして民間企業へ転職できた方も多数おりますので、諦めずに一緒にチャレンジしていきましょう。
この記事の前半では、公務員から民間企業への転職が難しい理由を3個をお伝えします。
記事の後半では、具体的な転職方法や成功事例を知り、今すぐに転職活動を始める準備が整います。
公務員から民間企業へ転職するのが難しい理由|企業の目は厳しい
あくまでも個人の意見ではなく世間からみた印象ですが、一般企業からみた公務員のイメージはあまり良いとは言えません。
「安定している公務員をやめて挑戦したいことがある」と、この記事をご覧になっているあなたは、きっと企業からの印象がよいはずです。
一般的に見た転職が難しい理由は以下のとおりです。
- 利益、給料、仕事に関する考えが甘い
- 公務員から転職する人の志望動機は評価が低い
- 公務員に対する世間のイメージがよくない
利益・給料・仕事に関する考えが甘い
公務員と民間企業では、数値目標や業務を進める際の速さが大きく異なります。
民間企業では利益を出すために売上の計画や進捗を管理し、経費削減などを意識します。
公務員の場合は公共事業であるがゆえに意思決定するまでにかなり時間がかかる点が大きな違いでしょう。
公務員から転職する人の志望動機は評価が低い
やりがいや、やりたいことだけを求めるだけではネガティブだと捉えられてしまうため、それだけでは志望動機としては不十分かもしれません。
転職しないと実現できないきっかけがあり、現状を変えたいと思う使命感や熱意が必要ではないかと考えます。
部署にもよりますが、ルーティン業務をメインの部署だと専門スキルを身につけるのが難しいです。
企業からも行政特有の業務経験を民間に活かすため方法、つまり企業での経験を活かす再現性があるかが採用のポイントになっています。
公務員に対する世間のイメージがよくない
実際は、さまざまな能力を活かしながらハードに働いている公務員ですが、理解のある人がいる一方で世間全体のイメージはよくありません。
部署異動が頻繁で、専門スキルが成熟する前に異動することも多いことから、民間に転職しても使えるスキルを身につけるのが難しいです。
公務員から民間企業へ転職する方法
転職で後悔したくないなら転職する「本当の目的」について明らかにしなければなりません。
そのためには自己理解が重要です。
民間企業がほしいと思うような実績を作ることができていれば転職を成功させることは難しくありません。
公務員の方は転職経験が少ないことや自己理解を自分だけで進めるのはなかなか難しい理由から、転職エージェントサービスを利用することをオススメします。
- 自己理解を深める
- 現職での実績を作る
- 転職エージェントと転職サイトの活用
自己理解を深める
自己理解と言われてもよくわからないと思われますが、30代で転職するのであれば、一番重要と言っても過言ではありません。
本当にやりたいことや何が嫌で転職したいか、かなえたいことは何かを自問自答して知る必要があります。
30代の転職には、深い自己理解や本当に転職したいと思えるほどの覚悟感が必要です。
現職での実績を作る
公務員の業務内容は評価されにくいですが、自分が問題意識をもって取り組んできたかという部分が大切です。
積極的にアピールできるような実績を作れれば転職にも活かせます。
特に、前例踏襲の環境下で「業務改善」や「新規事業を立上げ」をおこなった経験はむしろ評価されます。
それこそまさに民間企業で求められている能力といえます。
転職エージェントと転職サイトの活用
転職サイトでは自分の希望や経験に沿った求人を検索し、応募することができます。
転職エージェントはを使う理由は以下のとおりです。
こちらのサービスは無料で利用することができるので、迷わずに今すぐ登録して相談しましょう。
選考対策(アピール内容、履歴書の書き方を具体に)
転職を成功させるとはつまり、選考に対策をしてうまくクリアしていくということです。
そのためには「自己理解を深める」ことと、「現職での実績を作る」ことが大切だとお話ししました。
それらを踏まえたうえで、どのようにアピールすれば選考に通りやすくなるのでしょうか。
具体例を用いて説明します。
公務員のイメージを払拭する方法
転職理由はポジティブな内容を心がけ、素直に仕事ができることをアピールしましょう。
公務員は、社会貢献したいという思いが強いことや責任感や誠実さがあることは高く評価される部分でもあります。
しかし、転職理由としては民間企業でしかできないことや達成したいことを明確にしておかなければ、企業には「この人は本当に転職したいのかな」と思わせてしまいます。
若年の公務員は裁量権がないことが多いため裁量権がある企業に転職したいなど民間企業でしかできないことをアピールするようにしましょう。
書類選考の通過率を上げる方法は?
選考の書類(履歴書)には、学歴や職務経歴と実績、自己PR、志望動機などを記入します。
書類選考の通過率を上げる方法のポイントは、客観的な目線で書類を作成することです。
そのためにも転職のプロである転職エージェントの利用をオススメしております。
また、エージェント経由で応募することによって、書面では伝わりにくいあなたの強みや魅力を専門のキャリアアドバイザーが企業に伝えてくれるので、書類の通過率が上がります。
1.職種や役割を意識した記載
- 応募する職種には、それぞれ求められる能力や姿勢が違う
- 一般職か管理職かによってもアピールするポイントは異なる
2.具体的な数値を入れる
- イメージがしやすくなる
- 情報の信ぴょう性が増す
以下に、具体的な書き方の例をお伝えします。
職務経歴と実績
【職務経歴】 20XX年◯月◯日 〇〇市役所 入庁 市民課窓口業務 (業務内容) ・住民登録などの手続き(約◯件/日) ・戸籍謄本の手続き(約◯件/日) ・印鑑登録の手続き(約◯件/日) 【実績】 住民票や戸籍謄本についての窓口対応の方法が職員によって異なることに気が付いたので、窓口業務に関する勉強会を開催したことで統一化を図りました。また、勉強会でまとめた意見を既存のマニュアルに加え、改訂しました。結果として、窓口対応に関する苦情を10%削減することができました。 |
自己PR
<マニュアル改定による業務改善> 住民票や戸籍謄本の発行業務を担当しており、苦情を頻繁に受けている職員から相談されたことがきっかけで窓口対応方法の改善に取り組んだ経験があります。 まずは、一人ひとりの窓口業務の対応方法についてヒアリングし、その結果をもとに勉強会を開催してサービスの均一化を図りました。勉強会で学んだことを担当職員全員に周知し、既存のマニュアルに勉強会でまとめた意見を加え、改定しました。組織の風潮からそのままでいいのでは、という意見もありましたが、市民に迷惑をかけたくないという思いがあったので、業務改善に取り組みました。 その結果、窓口対応に関する苦情を10%削減することができました。市民からも以前よりも担当する職員の違いによるムラがなくなったという意見もいただくことができました。 |
志望動機
現職では、市民目線でのサービス提供に心がけております。市民の喜ぶ姿がやりがいにつながっていたからこそ、お客様の人生により深く関われる仕事がしたいと考えるようになりました。保険は、その人の人生そのものに関わることができる商品であり、お客様目線で考えることが何よりも重視される貴社の方針に、深く共感しています。 積極的に業務改善した経験や窓口業務で身につけたお客様目線での対応を活かし、貴社に貢献したいと思っています。 |
面接対策
ネガティブな転職理由をポジティブに変えて伝えるのがポイントです。
企業の採用担当者は、また同じ理由で辞めないかと心配をしてしまいます。
転職してかなえたい希望、つまり、転職の目的をメインに伝えるとポジティブに聞こえ、印象がよくなりますよ。
インターネットで検索したテンプレートのまま使用するのではなく、自分の言葉で伝えることで初めて相手に熱意が伝わるものです。
転職成功事例紹介
実際に支援してきた方の転職の成功事例について紹介します。
例) 性別:男性 年齢:32歳 転職理由: ①スピード感がない ②前例踏襲主義が合わない ③挑戦できる環境ではない 職種:営業職 事例:公務員の技術系からの営業職に転職を成功させました。この方は、自己理解にかなりの時間をかけた上で転職エージェントをうまく利用しました。応募書類をしっかりと作り込み、面接対策の練習を何度も行ったことで第一志望の企業で内定をとりました。 |
未経験でも正社員を目指すなら
私の支援していた人で、建設系の会社から公務員の技術職として勤務した後に未経験32歳で某有名人材企業の営業職で内定をとった方もおりました。
未経験なら、営業職かITエンジニアがおすすめです。
営業職
営業職はどの業界、会社にも必要な職種で、会社の利益に直結する大切な仕事です。
顧客と向き合って悩みを解決するとてもやりがいのあるお仕事です。
ITエンジニア
ITエンジニアへの転職は、IT系の企業が今後さらに成長すると予想できるためオススメです。
経済産業省の統計データからは2030年には約45万人ものIT人材が不足すると予想されていることからも、IT業界はへの転職はしやすい傾向にあるといえます。
IT人材受給に関する調査 調査報告書
引用元:経済産業省、 houkokusyo.pdf (meti.go.jp)
積極的なアプローチも大切
いずれにしても、携わりたい仕事があって未経験で挑戦するなら、少し根気が必要ですがさまざまな企業に応募し続けましょう。
ゼロから自分のキャリアを築くことを目指すなら30代前半が最後のチャンスになるかもしれません。
まとめ
公務員から民間企業へ転職するのが難しい理由について、3つの理由をお伝えしました。
自己理解を深め現職での実績を作り、転職エージェントをうまく活用することで、公務員から民間企業への転職を成功させるられることを、具体的な選考対策とともに知れたことで、転職で成功するイメージがわいたのではないでしょうか。
とはいっても、なかなか企業の目も厳しく、公務員の業務特性から難しい部分もありますが、希望をかなえるための転職は決して不可能ではありません。
ただし、業界や業種を意識することや年収が下がってしまうことは考慮したうえで、積極的なアプローチを心がけてください。
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